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「何も怖がることはないんだよ、みんな僕に任せておけば……」
部長が私を見つめ言う。
部長には奥さんも、私と同じくらいのお子さんもいるのはわかってる。
でも、どうしようもなく惹かれてしまった。
私から誘った。
飲み会帰りのラブホテルの一室。
私は初めてだということも告白した。
その初めての人が部長であって欲しいとも告げた。
ロマンスグレーの短い髪。
スーツ、シャツ、ネクタイのセンス、その着こなし。
すべてが洗練されていた。
「じゃあ、全部脱ごうね」
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2016/04/13(水) 08:14 ショートショート PERMALINK COM(0)
ふと目が覚める。
窓から午後の海風が入り、火照った体を気持ちよくすり抜ける。
ああ、あのまま眠ってしまったのね。
あなたも私の背中にぴったり体を寄せ、寝息を立てている。
お尻に当たるシーツが冷たい。
私たちが愛し合った証しがシーツを濡らしている。
まだ私の中からあなたのがあふれ出てくるがわかる。 
私の胸を後ろから包むあなたの大きな手に、私の手を重ねる。
サイドテーブルに置かれた二人のパスポート、腕時計。

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2016/04/12(火) 12:53 ショートショート PERMALINK COM(0)
今日の裕二はいつもより興奮している。
晴香はそう感じた。
ホテルの部屋に入るなり、ベッドに押し倒され、衣服を乱暴に脱がされたからだ。
「ちょ、ちょっと、どうしたの? 裕二」
少し抵抗する素振りをしながら訊いた。
裕二はそれに答えず、ブラジャーを彼女の首元までずり上げたままで、乳房にむしゃ振りついてきた。
そうしながら片手でスカートのホックが外され、引き下ろされた。
「いや、まだシャワーも……」
言葉では嫌な風を装っていたが、裕二の動きを止めることはなかった。
裕二との逢瀬は三週間振りだった。
先週誘いを断ったから、裕二は大分溜まっているのかもしれない……。
それとも今日は時間がないから、早めに済まそうとしているのだろうか?
それなら、それでいい……。
今日は平日の夜だ。
会社帰りに、いつものように待ち合わせてホテルに入ったのだ。
そして事が終わると、彼は家へと帰る。
妻と子供が待つ家へと。
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2016/04/11(月) 16:05 短編小説 PERMALINK COM(0)
「出そう?」
妻が俺にきいた。
「いや、まだだな」
しばらくしてまた妻がきいた。
「また今日もダメなの?」
「お! 今日は、なんか、いけそうな気がする」
「え、ほんと?」
妻が目を輝かせた。
「あ、来そうだ!」
「え! ほんと!」
「あ、来る!」
「ああ、来て!」
「あ、来るぞ! 来るぞ!」
「ああ、お願い来て!」
「あ、来い!」
「来て! お願い、あなた! いっぱい出して!」
「あああ、来た~!」
「あああ、あなた~!」
「出た~!」
「ああ、あなた、すごいわ、こんなにいっぱい出るなんて!」
こんなに興奮したのは久しぶりだった。
二人で抱き合い喜んだ。
そのときだった。
「うるさい! パチンコぐらい静かにできねえのか!」
隣の客の男に怒鳴られた。

2016/04/09(土) 07:29 小噺 PERMALINK COM(0)
床がきしむ古いアパートの部屋。
襖一枚隔てた隣の部屋では小学3年生になる娘の頼子が眠っていた。
午後10時。
離婚して初めて出来た年下の彼。
一週間振りに私に会いに来てくれた。
力強く突き上げる彼の腰の動きに、思わず高い声が出てしまう。
襖の向こうを気にしながら口を手で塞ぐ。
頼子が起きてしまわないように。
襖は建て付けの悪さで、合わさり目に大きな隙間が出来ている。
「美智子、今日はいいだろ? 中に……」
「だめよっ、あっ、だめっ」
彼の動きが更に早くなる。
彼が終わりに近づいているのがわかる。
また襖に目をやる。
幼かった頃の記憶が断片的に思い出される。

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2016/04/08(金) 13:07 ショートショート PERMALINK COM(0)
私が小さい頃の話だ。
同級生の友達に妹が生まれた。
見せてもらったけど、すごくかわいかった。
私も欲しくなって、夕食のときに両親に言った。
「わたしも妹が欲しいな」
両親は口をそろえて言った。
「だったら早く寝なさい」


2016/04/07(木) 18:14 小噺 PERMALINK COM(0)
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