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「あ、また、動いた……」
拓也が、結衣のひざ枕の上でつぶやく。
耳と手は、結衣の大きなお腹に押し当てられていた。
彼らの寝室のベッドの上だった。
二人とも裸だった。
つい先ほどまで、二人で風呂に入っていたのだ。
「ほら、またっ」
拓也が結衣を見上げて微笑む。
「すごいなあ、ここに赤ちゃんが入っているなんて……」
結衣は、まだ少し濡れている拓也の頭を撫でた。
幸せなひとときだと思った。
今日は、拓也の会社の飲み会があった。
結衣は10時過ぎに拓也を車で迎えに行った。
同僚の女もひとり一緒いた。
途中、女を家に届け、家に帰ってくる頃には11時を過ぎていた。
家に入ると、すぐさま二人でバスルームへ行き、お互いの身体を洗い合い、二人でバスタブに浸かった。
今、バスルームからでたばかりの姿で寝室に来たのだ。
結衣は、帰ってくるときの車の中や、バスルームで拓也に訊きたい気持ちを抑えていたのを、今開放した。
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2016/03/18(金) 08:20 ショートショート PERMALINK COM(0)
情事の後のベッドの上でだった。
「あなたと一緒に暮らしたいわ……」
彼女が呟いた。
「そんなの、無理だよ、お互い結婚しているんだから……」
「馬鹿ね、女は嘘でも安心させられる言葉が欲しいのよ。ほんとあなたって女心が分からないのね」
次の日、情事の最中だった。
「え! あなた、今、中に出しちゃったでしょ?」
「うんん、出してないよ」

2016/03/17(木) 18:28 小噺 PERMALINK COM(0)
二次会の居酒屋を出たときは10時を回っていました。
今日は会社の部署の飲み会でした。
他の同僚たちは、次のお店に行ったみたいです。
いつの間にか彼と二人で歩いていました。
「送っていくよ」
彼に言われました。
彼は車で来ていて、近くの大学病院に停めていたと言っていました。
帰りは奥さんが、迎えに来るそうです。
車は明日また奥さんと二人で取りに来るみたいでした。
「タクシーで帰るからいいわ」
私は遠慮がちに言いました。
「いいよ、同じ方向だから……寒いから、行こう」
彼は、私の返事を聞かないで、歩き出しました。
忘年会のときに、あんなことをしてから、1ヶ月くらい経っています。
あれから二人とも何事もなかったように、一緒に仕事をしました。
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2016/03/16(水) 10:20 ショートショート PERMALINK COM(0)
妻の芳恵が浮気をしました。
それも一ヶ月も前のことです。
今、白状しました。
最近、妻の様子がおかしいと思ったのです。
深夜に携帯電話のバイブは鳴るし……多分メールだと思います。
今までそんなことはありませんでした。
あと、この間、通販会社から下着を買いました。
結構派手目で、今まで付けていたのと、大分方向性が違うように思われました。
香水の匂いも変わりました。
以前より、濃い艶かしい匂いがします。
それに、決定的なのは、アンダーヘアの手入れがしてあったことです。
そんなことは結婚してから初めてです。
生え際が少し剃られ、面積が小さくなって、更に毛全体が短くなっています。
ちくちくと、短い毛が口の周りに当たったので、それでわかったのです。
私はその状況証拠を妻に突きつけ、問い詰めました。
正直に言ってみろと、でないと離婚だと。
妻はおそるおそる語り始めました。
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2016/03/14(月) 09:40 ショートショート PERMALINK COM(0)
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