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あちゃー、見ちゃったよー。
パパがしてるとこ。
見たくなかったよー。
20歳の年頃の娘としては……。
あたし、夜は眠ったらめったに起きないんだけど、今日は飲み会があって、帰ってきたの11時ごろだったかな。
そのとき、パパはリビングでテレビ観て起きてたんだけど、あたし、パパに「おやすみ」と言うと、そのまま二階の自分の部屋に入って、着替えもそこそこに寝ちゃったんだ。
でも、何時ごろだろう、喉が渇いて起きちゃった。
お水飲もうとして、1階のキッチンに行こうしたら、隣のパパの部屋のドアが少し開いてて、明かりが漏れてた。
ちょっと気になって覗いちゃった……。
そしたらこれだもの……。

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2016/04/25(月) 14:08 短編小説 PERMALINK COM(0)
俺が“がん”になるとは……。
葛西誠一は病室のベッドの上で、清潔そうな天井を見つめながら、心の中で呟いた。
四十歳の今になるまで、入院したことなどなかった。
毎年の健康診断も“要観察”の項目さえなかった。
健康だけが自慢だった。
仕事が落ち着いた先月、妻に勧められ、二日間の人間ドックに入ったとき、大腸にポリープが見つかったのだ。
精密検査の結果“悪性”と診断された。
内視鏡での手術は困難と言われ、開腹手術を行うことになった。
ただ、ごく初期の段階で医者の話では『百パーセント大丈夫です、とは言えませんが、摘出すれば大事には至らない現状だと思います』というあいまいだが、心配はないだろうとの見方だった。
三日前に入院し、今日これから手術だった。
ベッド脇のテーブルに置かれた小さな猫のキャラクターを模った置時計を見る。
中学生になる娘の美奈が買ってきてくれたものだ。
八時を少し回っていた。
置時計の傍らに電源を切った携帯電話がある。
不安だった。
落ち着かない気持ちでいた。
病気のこと、手術に対する不安ではない。
昨夜、携帯電話が許可されている談話室のブースから良子にメールをした。
『明日手術だ。でも、心配ない』
何気ない報告メールのつもりで送信した後、すぐ電源を切り病室に戻ってきた。
今朝早く、同じブースで電源を入れると、昨日の深夜に良子から返信が来ていたのだ。
『大丈夫。あなたなら病気なんかに負けないわ。明日、会社休んでお見舞いに行くね』
誠一はすぐさまその場で返信した。
『来なくていいよ。家族も来るんだから』

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2016/04/22(金) 07:41 短編小説 PERMALINK COM(0)
今日の裕二はいつもより興奮している。
晴香はそう感じた。
ホテルの部屋に入るなり、ベッドに押し倒され、衣服を乱暴に脱がされたからだ。
「ちょ、ちょっと、どうしたの? 裕二」
少し抵抗する素振りをしながら訊いた。
裕二はそれに答えず、ブラジャーを彼女の首元までずり上げたままで、乳房にむしゃ振りついてきた。
そうしながら片手でスカートのホックが外され、引き下ろされた。
「いや、まだシャワーも……」
言葉では嫌な風を装っていたが、裕二の動きを止めることはなかった。
裕二との逢瀬は三週間振りだった。
先週誘いを断ったから、裕二は大分溜まっているのかもしれない……。
それとも今日は時間がないから、早めに済まそうとしているのだろうか?
それなら、それでいい……。
今日は平日の夜だ。
会社帰りに、いつものように待ち合わせてホテルに入ったのだ。
そして事が終わると、彼は家へと帰る。
妻と子供が待つ家へと。
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2016/04/11(月) 16:05 短編小説 PERMALINK COM(0)
初夏だった。
彼女と付き合い始めて一ヶ月が過ぎようとしていた。
私たちは会社帰りに、いつもの通り、いつもの場所で落ち合うと、いつもの通り、人けのない、舗装もされていない、山道を車で昇って行った。
ここ二週間ぐらいで、私は車の中で彼女に愛撫できるような仲まで進展していた。
でも、それから先へは進めないでいた。
そのタイミングがつかめないでいたのだ。
彼女とひとつになるその時は、何か特別な日にしたかったのだ。
そして、その時は時間を掛けて愛し合いたいと思っていた。
その日をいつにするか、決めかねていたのだ。
だからその日も、いままでと同じような日のはずだった。
その山道から更に細い脇道に入る。
この道は初めてだった。
急な上り坂にる。
しばらく行くと行き止まりになり、何度か切り返した後、車の鼻先を今着た方向に戻した。
車を停めた。
運転席側は雑木林、反対側は崖になっていた。
崖の方向に満月が低く顔を出していた。
大きかった。
明るかった。
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2016/03/19(土) 17:14 短編小説 PERMALINK COM(0)
車は遅々として進まなくなった。
渋滞にはまったようだ。
日曜の夕方だ。
やむを得ないかもしれない。
初夏の夕暮れの光がビルのガラス窓に反射し、ハンドルを握る凜子の目に、時折刺ささる。
不意に、カーラジオから曲が流れ始めた。
低音の女性シンガーだ。

それでもいい……
それでもいいと思える恋だった
戻れないと知ってても
つながっていたくて……
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2016/03/19(土) 08:08 短編小説 PERMALINK COM(0)
日曜日の朝、十時を少し回った頃だった。
幸彦は、二階の寝室のベッドの上で本を読んでいた。
いや、本を読んでいるように見せかけていた。
その実、字など目に入らず、そわそわと落ち着かない。
妻の美智子が、時折、幸彦がいる寝室を訪れ、乾燥が終わった洗濯物を寝室に持って来ては、畳んで、タンスにしまう仕事を繰り返している。
彼は美咲からのメールを待っていた。
昨日、美咲から誘いのメールがあったのだ。
『明日、時間空いてる? ホテルで日中からしない? 生理が近いみたいで、うずいてだめなの……』
『しょうがないなぁ……何とか都合つけるよ』
『家事とか終わらせて行くから、終わったらメールするね。待ってて』
最後には動くハートマークが付いていた。
美咲は幸彦の不倫相手だ。
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2016/03/12(土) 11:42 短編小説 PERMALINK COM(0)
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