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日曜日の朝、十時を少し回った頃だった。
幸彦は、二階の寝室のベッドの上で本を読んでいた。
いや、本を読んでいるように見せかけていた。
その実、字など目に入らず、そわそわと落ち着かない。
妻の美智子が、時折、幸彦がいる寝室を訪れ、乾燥が終わった洗濯物を寝室に持って来ては、畳んで、タンスにしまう仕事を繰り返している。
彼は美咲からのメールを待っていた。
昨日、美咲から誘いのメールがあったのだ。
『明日、時間空いてる? ホテルで日中からしない? 生理が近いみたいで、うずいてだめなの……』
『しょうがないなぁ……何とか都合つけるよ』
『家事とか終わらせて行くから、終わったらメールするね。待ってて』
最後には動くハートマークが付いていた。
美咲は幸彦の不倫相手だ。
同じ会社の同僚だった。
彼と同じ歳で今年三十五歳になる。
関係はもう一年続いている。
『しょうがないなぁ』と答えたが、そのメールを受け取った後から、ホテルの部屋でどうやって美咲の身体を味わおうか、そればかり考えていた。
生理前だ、今日は美咲の中に出してもいいかも知れない……。
抜かずに二発でもしてみるか……。
そう頭をめぐらすと、股間が知らず知らずのうちに膨らんでくる。
待ちきれなかった。
そのときだった、携帯電話のバイブレーションが動き出した。
美咲からだった。
幸彦は急いでメールを開く。
『ごめんなさい。うちの旦那、これから子供と遊園地にいくってきかないの……。私は嫌だっていったんだけど……ごめんね……今日は無理みたい。また今度ね』
最後には動くハートマークが、今度は二つ付いていた。
携帯電話をベッドの上に投げつけた。
それは勢いよくバウンドした。
ちくしょう!
いままで自分本位に思い描いていた欲望のはけ口が、急に閉ざされてしまったのだ。
幸彦は今度はベッドの上に拳を打ち込んだ。
自分から誘っておいて、旦那がきかないからだと?
俺より旦那の方が大事なのか!
もう一度、ベッドに拳を突きたてた。
そのときだった、妻の美智子が寝室に入ってきた。
洗濯物を両手に抱え、立ち止まっていた。
「どうしたの?」
「いや、別に……」
幸彦は意味もなく、ぽんぽんと軽くベッドを拳で叩いて、その場を取り繕った。
「変なの……」
彼女は幸彦に背をむけタンスに服をしまい始めた。
幸彦と同じ三十五歳だった。
結婚して八年になる。
子供は小学生なる娘とその弟がいる。
今は、下でテレビを観ているはずだった。
彼女は家ではよくジーンズを履いている。
身体は太っているというよりは、むっちりと適度に肉が付いている。
そのくせ、好んでタイトなジーンズを履いていた。
幸彦は、中腰でタンスに向かって服をしまう妻の後姿を見てた。
ジーンズの生地をぱんぱんに押し上げる彼女の尻を見て、彼の“男”が反応した。
そのジーンズの中の“女の肉”が目の前に浮かび上がってきたのだ。
“怒り”と“性欲”が幸彦の中で重なった。
幸彦はベッドから起き上がった。
行き場のなくなった欲望のはけ口が必要だった。
無言で彼女を後ろから抱きすくめた。
あごを彼女の肩に乗せ、左手は胸を、右手は股間を乱暴にまさぐり始めた。
「あんっ……何っ?」
と小さく声を発しが、抵抗はしなかった。
ジーンズの前のファスナーを下げにかかった。
開いたファスナーの間から、中に手を挿し入れた。
「あっ、だめよっ」
パンティーの上から、柔らかい割れ目部分を揉みんだ。
でも、直ぐにそれを止め、今度はパンティーの中に直に手を入れた。
「いやっ、ちょっと、どうしたの、急に……」
陰毛を掻き分け、肉の割れ目の縁を探すと、割れ目の奥に中指を押し込む。
中心はもう濡れ始めていた。
妻は濡れるのは早い。
濡れた入り口を、中指の腹全体で小刻みに叩く。
粘液がどんどん溢れ出て来る。
その液を指で叩き続けた。
徐々に、ぴちゃぴちゃと、いう音が大きくなってくる。
ペニスももう痛いほど勃起していた。
愛撫を止め、後ろ向きのまま彼女のジーンズを脱が始めた。
「いや、やめて、ちょっと」
そうは言ったが体は抵抗しなかった。
逆に早く脱げるように脚を交互に動かした。
ジーンズを全部脱がせ、傍らに放り投げると、パンティーも直ぐにずり下げた。
彼女の下半身だけが露わになった。
幸彦も急いで下だけ脱いだ。
彼女の白い大きな尻と、彼の赤く充血し、反り返ったペニスが露わになった。
明るい朝の陽が射す部屋の中で、その光景が、また興奮を呼ぶ。
幸彦は割れ目にペニスの先端を何度か擦りつける。
その時、彼女の濡れたところから発する“匂い”に気付いた。
いつもより、甘ったるい、むせるような、濃い匂いを漂わせていた。
「お前、すごい匂いだぞ……もしかして生理が近いのか……?」
「うん、たぶん……」
彼女がうなずく。
濃い匂いを発する入り口にペニスを押し込んだ。
前戯も何もしなかった入り口は、少し押し入れるのに抵抗があったが、ずぶずぶと、少しずつペニスは中に埋没していった。
「あんっ!」
熱く、ぬるぬるとした液で満たされた中を、ゆっくりと出し入れする度に、でこぼこした肉壁がペニスのくびれに絡みつく。
ゆっくりとしたストロークで、奥の壁をペニスの先で突き上げる。
彼女はタンスに手を付き、幸彦の突き上げを受けた。
「あんっ、いやっ、ああっ……」
押し殺した喘ぎ声が漏れる。
彼女も突然の異様なシチュエーションに興奮しているのか、膣内がぎゅっ、ぎゅっと頻繁に締まる。
「うぉっ……いい……」
幸彦は思わず、うなってしまった。
お互い気持ちいいところを確かめ合いながらする行為もいいが、突如湧き上がった性欲を、そのまま真っすぐ“女の中”にぶつけるのも興奮する。
早くも射精感が昇ってきた。
突く速度を上げた。
彼女が手を付いているタンスがカタカタと鳴り始める。
突き上げの何度かに一度、彼女が高く喘ぐ。
「ああっ……!ああっ……!」
慌てて彼女が、自分の手の甲で口を押さえる。
一度ペニスを抜くと、彼女をタンスと反対側のベッドに向かせた。
彼女が尻を向けてベッドの上に手を突く。
このまま幸彦を受け入れようしているのだろう。
しかし幸彦は、自分を素直に受け入れようとした彼女に、このまま挿入しても“収まらない”と思った。
彼女の背中に覆いかぶさった。
彼女の頭の方に体重を浴びせる。
その体重を支えきれずに徐々に崩れる。
腕が投げ出され、両肩がベッドに付いた。
彼女の両腕を取った。
両手首を掴むと、彼女の腰の上に重ねた。
その腕の上に覆いかぶさる。
彼女の腕は挟まれて動けなくなった。
「いやっ!」
嫌がる声が興奮を呼ぶ。
後ろから彼女の口を手の平で塞いだ。
「んぐぅっ、んぐぅっ……」
彼女の声にならない振動が手の平に伝わる。
戸惑いに身体を震わす彼女に後ろから強引に挿し込んだ。
「んんっ!」
頭を仰け反らせ、大きくうめく。
幸彦の中で更に凶暴な何かが目覚めた。
彼女の腕と口を拘束しながら、腰を突き上げる。
単調な突き上げだけに飽き足らず、腰をグラインドさせ、彼女の奥壁をこねり上げる。
塞がれた口の中で声が振動する。
「んんあっ!」
濃い“女の匂”いが撹拌され、部屋中に充満している気がする。
キスも、愛撫も何もない、ただ結合部だけが唯一の刺激の“交尾”だ。
さっきより強い射精感が昇ってきた。
普通の営みなら、ここで少し動きを止め、射精感を抑えるのだが、構わず動き続けた。
このまま突き続け、このまま“出す”つもりでいた。
彼女を“イカせる”ことなどは考えていなかった。
ちくしょう! 
遊園地だと!
どんどん内部から込み上げてきた。
ペニスに、ぐぐぅっと、力が入りだした。
みるみるペニスが硬くなる。
ちくしょう!
旦那がきかないだと!
彼女が口をふさがれたまま、イヤイヤをするように激しく首を振る。
そうだ、それでいい……嫌がるんだ……。
幸彦は動き続けた。
ペニスはなおも、自分の内部のものを押しだそうと硬くなり続ける。
出してやる!
ちくしょう!
がむしゃらに突いた。
限界だった。
ちくしょう、中に出してやる!
「うおおっ! 出るっ! 美咲! 出る!」
彼女が首を左右に何度も振る。
幸彦の手が彼女の口から外れた。
彼女が声を上げる。
「あっ! だめっ! 中はだめっ!」
しかし、構わず、幸彦はさらにペニスを押し付けた。
硬く目をつむる。
次の瞬間、彼女の中でペニスが、ぐっと、反り返った。
先端から粘液の塊が、彼女の中に吐き出された。
びしっと、音が聞こえそうな勢いだ。
ペニスは彼女の奥で、どくっ、どくっ、どくっと、続けざまに脈打ち始める。
「ああっ! だめぇっ!」
「くぅっっ…」
幸彦はうめき声を出さずには、いられなかった。
脳を貫くような快感に、身体中が鳥肌立ち、口が半開きになり、よだれが垂れそうになる。
ペニスが放出を繰り返す間も、ゆっくりと彼女の中を動き続けた。
今までにない快感だった。
徐々に放出する勢いが衰えてきた。
今度は、自分の意思でペニスに力を入れては、まだ尿道に残っている粘液をしぼり出し始めた。
しぼり出しながら、また彼女の奥を突く。
「あっ……あっ……」
突くたびに彼女が微かに声を漏らす。
出し尽くした。
「ふうぅ……」
大きくため息をついた。
ペニスを抜く。
彼女の脇に寄り添い横になる。
先ほどまでの怒りに似た欲望も鎮まり、逆に、妻への愛おしさが湧き上がってきた。
俺の欲望を、嫌がりもせず受け入れてくれる女が傍にいる。
幸彦は快感の余韻と、その満足感に浸っていた。
やはり、妻を一番愛しているのだと思った。
自分の都合で俺を振り回す、あんな身勝手な女からは、取り返しがつかなくなる前に、早目に手を退いた方がいいかもしれない……。
妻の髪を後ろから撫でた。
今のは強引だったが、美智子もまんざらでもなかったろう。
今日は一日機嫌がいいに違いない。
そうだ、今日は子どもと一緒に遊園地にでも出かけるか。
「美智子……今日、これから……」
「さっき、あなた“みさき”って呼んだけど……」
幸彦のあてが外れてしまった。

2016/03/12(土) 11:42 短編小説 PERMALINK COM(0)
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