「あ、また、動いた……」
拓也が、結衣のひざ枕の上でつぶやく。
耳と手は、結衣の大きなお腹に押し当てられていた。
彼らの寝室のベッドの上だった。
二人とも裸だった。
つい先ほどまで、二人で風呂に入っていたのだ。
「ほら、またっ」
拓也が結衣を見上げて微笑む。
「すごいなあ、ここに赤ちゃんが入っているなんて……」
結衣は、まだ少し濡れている拓也の頭を撫でた。
幸せなひとときだと思った。
今日は、拓也の会社の飲み会があった。
結衣は10時過ぎに拓也を車で迎えに行った。
同僚の女もひとり一緒いた。
途中、女を家に届け、家に帰ってくる頃には11時を過ぎていた。
家に入ると、すぐさま二人でバスルームへ行き、お互いの身体を洗い合い、二人でバスタブに浸かった。
今、バスルームからでたばかりの姿で寝室に来たのだ。
結衣は、帰ってくるときの車の中や、バスルームで拓也に訊きたい気持ちを抑えていたのを、今開放した。
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