私は焦りました。
彼女は完全に、そのモードに入っていました。
このまま彼女の口の中に出してもいいかなと、ちらっとは思いましたが、今ここで出すのはやはり抵抗感がありました。
何か主導権を握られているような……。
私はどちらかと言うと、“される”よりは“したい”方でした。
「百合さん……、最初に俺のを出すときは、百合さんの中に出したいんだ……」
「ほんとに……?」
彼女の目が、一瞬大きくなったようでした。
「だめかなぁ……? 今度、時間があるとき、ゆっくりと百合さんとしたい……」
彼女は「うん」とうなずくと、私の首に手を回し、キスをしてきました。
「本当に、わたしでいい? おばさんだけど……」
「うん。百合さんとなら、してみたい……」
「して……して、今度して……」
彼女がもう一回キスをしました。
唇を離すと、彼女に言いました。
「今日は、もう帰らないと」
もう9時近くになっていました。
私の会社での残業は、大体9時までです。
ここから真っ直ぐ家へ帰れば、ちょうど良い時間でした。
彼女も「うん」と言うと、私から身体を離しました。
私のものは、まだ力強く上を向いたままでした。
それを強引に、ブリーフの中に押し込みました。
スラックスも前の盛り上がりが激しく、やっと閉まった状態でした。
車を走らせながら、徐々に私の股間のものが、しぼんでいくのが分かりました。
しかし、しぼんでも、何か下腹部につかえて出て来られない“塊り”のようなものがあります。
それは鈍痛に似た感覚です。
帰りは最短で、待ち合わせた場所に着きました。
「あとでメールするよ」
「うん、わたしも。またね」
彼女は、明るく笑って答えました。
先ほどまで、あれほど淫乱なことをした顔には見えませんでした。
私が車を出すまで、彼女は車内で、ずっと私に手を振っていました。
寝る前でした。
待ちきれない思いで、妻を自分のベッドに誘いました。
でも拒まれました。
でも私は強引に妻を押さえ、服を脱がすと、前戯もそこそこに妻の中に挿入しました。
もうそこまで、出掛かっていたのです。
始めから激しく突き上げました。
そして私は一分も耐えきれず、溜まりに溜まった塊りを妻の中に吐き出してしまったのです。
ほかの女の手で生まれた欲望の塊りを、妻の中に出したのです。
妻は、中に出したことを烈火のごとく怒りました。
まだ、子供は作らない約束だったからです。
でも興奮と背徳の中で、私の脈動は簡単には止まらず、私を罵倒する妻を強く抱きかかえたまま、快感を貪り続けました。
それは妻の中から溢れ、シーツに大きな染みを作るほど大量なものでした。
それが彼女との始まりの日でした。
彼女と逢うのは平日の夜と決まっていました。
会社帰りに待ち合わせて、私の車に乗り込みます。
「今日どうする?」
と彼女に聞くと
「なんでもいい……」
と答えます。
「じゃ、ホテル行こう」
と言うと
「え~ホテル?」
ちょっと戸惑う様子を見せます。
これが二度目以降の彼女のいつもの“スタンス”です。
やはり、きっかけは男の方から作ってあげるのが、女性にとってはストレスがないのだと、彼女から学びました。
その証拠にそのままホテルに入っても、一度も拒否の姿勢は見せたことはありません。
でもその“スタンス”は、部屋に入ってからも続きます。
ベッドに並んで座っても、手持ち無沙汰のようにしています。
自分から服を脱いだり、抱きついてきたりはしません。
やはり、こちらからきっかけを作ってあげます。
見つめながら抱き寄せ、キスをします。
舌を絡め合う頃には、もう彼女のスイッチが入ります。
それから彼女は乱れます。
でも彼女が乱れる為には、ひとつ絶対的な条件がありました。
2度目のときでした。
約束通りホテルに行ったとき、彼女は、私から服を脱がされるのを拒みました。
私は“言葉だけ”だと思い、そのまま強引に脱がしました。
上半身を裸にされた彼女は、腕で自分の胸を隠しました。
その腕を、退かそうとしましたが、彼女は頑として動きませんでした。
彼女は言います。
「胸がちっちゃいから、見られたくない……」と。
服の上からでもそんなに胸は大きくはないのが分かりますが、隠す程のことではないと思いました。
私は彼女の胸が大きかろうが、小さかろうが、気にはしません。
「俺は、そんなこと全然気にしないよ……」
でも、彼女は断固として拒みました。
彼女は言いました。
「明かり……暗くして……」
その時は、彼女のかたくなな態度が理解出来ませんでしたが、今は分かるような気がします。
いくらこちらが構わないと言っても、本人には見られたくないコンプレックスはあるものです。
私は折れました。
それで、先に進めるのならと……。
照明の明るさを調節するダイヤルを回しました。
部屋は、身体の細部が分からないほど暗くなりました。
「これでいい?」
彼女は「うん……」と答えました。
これが彼女の“絶対的条件”なのです。
彼女の胸の腕を退かしました。
今度は簡単に動きました。
彼女の片方の胸を包むように、手の平を当てました。
掴みました。
彼女の言うとおり、揉みしだくほどの肉の厚みはありません。
大きな硬めの乳首が、手の平に触れました。
私は小さな胸の肉を、外側からしぼり、人差し指と親指の輪の中に集めました。
乳首の部分が盛り上がりました。
乳首を舐め上げました。
「ああんっ…………」
彼女が喘ぎます。
私は何度も舐め上げました。
その乳首を唇で囲い、吸いました。
彼女が、驚くほどの大きな喘ぎ声を上げました。
私は、それに気をよくし、執拗に吸い上げました。
彼女が首を左右に振り、もだえます。
両手で私の頭を掴みました。
髪の毛をくしゃくしゃにします。
「吸って! もっと吸って!」
彼女が乳首を吸われると、どうしようもなく乱れるのを、今でも覚えています。
彼女に初めて挿入するとき、私の感情は複雑でした。
妻に対する罪悪感。
久し振りに、妻以外の女性を味わえる高揚感。
この先、この関係はどうなるのだろうかと言う、不安感。
彼女は妻より断然細い身体です。
余り肉の付いていない脚を広げ、その間に膝を付きました。
彼女の恥丘もあまりふくらみはありませんでした。
陰毛は縦長に生えていました。
その下に長く左右非対称に垂れ下がっている、ひだがありました。
私はコンドームをつけました。
私の先端を、彼女の長めのひだとひだの間に押し当てました。
先端にぬめりを付ける為に、二三度そこで上下しました。
ひだが先端に絡まります。
先端が埋もれていきました。
身体が細いから、きついかな、と思っていましたが、十分に濡れた割れ目に、私のものはぬるぬると、根元まで抵抗なく一気に入りました。
その時の私の感情は、罪悪感より、男としての悦びの方が大きかったかもしれません。
結婚しても、まだ他の女性を抱けるんだという、優越感。
自分がもっと“大人の男”になったような気がしました。
彼女の広げた脚の間に、腰を打ちつけ始めました。
彼女が私の顔を両手で掴み、私を見つめます。
顔を引き寄せ、キスをせがみます。
腰を打ちつけながらキスをしました。
「あ、あ、あ、いい、あ、いい……」
「洋平君、いい、いいよぅ……」
年上っぽく、私の名前を君付けで呼びました。。
彼女の手が私のお尻に回されます。
私のお尻を掴み、引き寄せました。
「突いて、もっと突いて……」
私のものが、更に奥に入り込みます。
彼女は引き寄せると同時に、わずかに腰を上にグラインドさせます。
慣れた動きでした。
自分の“欲しいところ”に当てるすべを知っているようです。
「もっと! 突いて! もっと!」
私に要求します。
しかし、腰を打ち付けようにも、彼女のがっしりとお尻を掴んでおり、うまくピストン運動ができません。
自然と、わずかに股間の密着をゆるめ、その後は、くいっと押し上げるだけの運動になりました。
彼女がそれに合わすかのように、私の突き上げると同時に、腰を引き寄せます。
絶妙なタイミングでした。
私が経験したことない、まさに熟女の“技”でした。
彼女がその快感に、頭を後ろにのけぞらしたり、前に持ち上げたりします。
目を固く閉じます。
眉間と、目じりにしわが寄りました。
「あぁ、いい、いい……洋平、いい、いいよぅ……」
今度は私の名が呼び捨てになりました。
彼女の奥の壁で、私の先端がこねられます。
私が自発的に行う、ピストン運動ではありません。
初めての味わう“動き”と“感触”でした。
いつものと違う“女”の中の、いつも違う刺激に、早くも込み上げてきました。
このままでは、あと一分も持たないような気がしました。
「百合さん、いきそうだ……一旦やめていい……?」
「いって……いっていいよ、洋平、いって……」
彼女は目を開けずに言いました。
快楽の追求に、没頭しています。
「あっ、いく、私もいく……」
彼女が切ない声を上げました。
この調子で行けば、もう少し“持つ”と思っていましたが、彼女の「いく」と言う声が私を刺激しました。
急激に昇ってきました。
「ああ、いい、いくっ! いくっ!」
彼女が顔を持ち上げます。
眉の間にしわをよせ、目を強くつむっています。
私も目をつむり、下腹部にこみ上げてくるものを抑えようとしました。
ですが、彼女が
「いくっ……いくっ……いくっ……」
と、高い声を上げるたび、内部からのせり上がりが、早まります。
「ごめん、百合さん、だめだ……イキそう……」
「いいよ、きて、洋平、きてっ!」
「ごめん、出すよっ! いいっ!」
「うん……いいよ出してっ! 出してっ! 洋平!」
最後に、私は何度か自分で腰を打ち付けました。
「うーんっ、だめだ!…………いくっ!」
私は腰の動きを止めました。
これから来る快感の衝撃に、目を固く閉じました。
どくっと、最初の一番大きい塊を放出しました。
彼女の腰の動きも止まりました。
「ああんっ!」
彼女にも、そのペニスの動きが伝わったようでした。
その後、私のものが脈動するたびに、彼女の眉が中央に寄りました。
私は風俗で女も買ったことがありません。
キャバクラへも年に一度誘われて行くかの“遊び”知らない男です。
それが結婚しているにもかかわらず、人の妻の中に出してしまいました。
私はその事実を確認するように、股間を覗き込みました。
私のものは、私の中のものを、彼女に送り込むように動いていました。
息が整うと彼女から抜きました。
彼女が、なぜか、すかさず顔を上げました。
そして抜いたばかりの、私のペニスを手で持ち上げたのです。
コンドームに包まれた私のペニスは、少し柔らかくなり、垂れ下がっていました。
コンドームの先も伸びて、私の出したものが溜まって、膨らんでいました。
彼女は確認したかったのでしょう。
ちゃんと避妊できているか? と。
行為中はあんなに快楽の追及に貪欲だったのに、終わったあとは現実的でした。
彼女が抱きついてきました。
首に腕を回し、「よかった? 洋平君。気持ちよかった?」
と訊きます。
私は少し微笑み「ごめん、早くイってしまって。百合さんの中、すごい気持ちよかった」と返事をして、彼女にキスをしました。
「洋平君、好き!」
彼女が嬉しそうに抱きついてきました。
つづく……。
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