ホテルのベッドの上だ。
俺は座っている彼女の後ろにぴったりと身体を付け、両手で彼女の太ももを開かせた。
右手を伸ばし、彼女の脚の中央に手を差し込むと、そこを中指でなぞった。
彼女の中央の割れ目はもう、濡れて開いていた。
亀裂の縁に沿って指を滑らす。
顔を彼女の肩に載せる。
耳元に囁いた。
「見て、こんなにぐちょぐちょだよ……」
「いやん、そんなこと……やらしいわ……」
一度指を離すと、ぬめりが付着した中指を彼女に見せた。
「見て、ほら……」
「いやっ……」
指をまた濡れたところに戻す。
今度は、割れ目からその上にある彼女の小さな突起に触れた。
「ああ……」
彼女がわずかに仰け反る。
俺は不意に思いついた。
今年27歳になる静香は、見るからにお嬢様育ちで普段は“男など知らない”ような女に見える。
しかし、付き合い始めて三度目の逢瀬で、彼女は“そうでない”ことが分かった。
やはり、彼女もひとりの“女”だった。
10歳も年上の俺の愛撫に濡れ、脚を開き、俺のすることを拒むことなく受け入れる。
普段の清楚な彼女と、ベッドの上での淫らな肢体とのギャップが、また俺を興奮させ、のめりこませた。
そう、もっと彼女の“ギャップ”が見たくなったのだ。
静香が一人でしているところを見たいと思った。
彼女は俺に身体を委ねた今でも“一人で自分を慰める”ような女には見えなかった。
見たいと思った。
彼女に言う。
「俺の指を掴んでみて」
俺は彼女の突起を転がすのをやめた。
「俺の指を使って、自分のいいとこに当ててみて」
「え? こう?」
彼女は戸惑いながらも俺の手に自分の手を伸ばす。
俺の手を握ろうとした。
「いや、俺の中指を上から摘んでみて」
俺の中指を、親指と人差し指で摘む。
俺は手の力を抜いた。
彼女は俺の指を少しずつ移動させ、あるところで止め、そこで添えた指を動かした。
「ここ?」
彼女は無言でうなずいた。
彼女に指を動かされながら、こりこりとした突起を転がす。
「ここが気持ちいいの……?」
「うん……」
そのまま彼女の動きに合わせていた。
しばらくして、その動きを止めると、今度は逆に彼女の手の上に俺の手を添えた。
「自分でしてみて」
「いやっ……」
「自分でするときのようにしてみて」
「いやよっ……」
「静香が自分でするの、見てみたいんだ、いいだろう? 静香は一人でしないの?」
「そんなこと……」
「するの? しないの?」
少しの沈黙のあと、彼女はつぶやいた。
「する……わ……」
その返答にぞくっとした。
「そう……別にはずかしことじゃないよ……今となっては……してるとこ俺に見せて……」
「いや……」
「俺には見せて……静香の全部が見たいんだ……いいだろ?」
彼女は返事をなかったが、俺に添えられた手が少しずつ動き出した。
中指だった。
彼女の細くて長い中指だけが動いている。
中指が何度も折り曲げられた。
俺は彼女の後ろから離れた。
彼女の前に寝そべった。
彼女の“M字”に開かれた脚の間に顔を寄せて。
彼女は後ろに片手をついて上体を支えた。
俺に見られながら指を動かし続けいる。
彼女の中指しか彼女の突起に触れていない。
手首は、ヘアのところに置いて、手の平、他の指は彼女のどこにも触れることなく宙に浮いていた。
彼女はそうゆう“やり方”なのだ。
細長い中指の指先だけが、何度も折り曲げられ、他の指とも触れることなく、濡れた突起を擦り続けている。
「あんっ、いやだ……すごい、びちょびちょ……」
時折彼女は中指で亀裂の中央から粘液を補給しながら突起を擦る。
俺は彼女の中指に口を近づけた。
舌を出した。
中指を上から舐めた。
動いている指を、指先から根元まで何度も舐め上げた。
「あんっ、すごい……いやらしい……」
俺は顔を横にすると、唇で中指を挟み、根元まで移動しながら、ちろちろと舐めた。
指の付け根に来ると、指の指の間に舌を差し込み、動かす。
彼女の指の股が唾液でぬるぬるになる。
「あん、いやらしい……すごい、いやらしいわ……」
彼女には今まで感じたことのない刺激のだった。
――自分でしている指を、舐められる――
俺もそれは彼女にどんな刺激をもたらすのか想像つかない。
俺は、彼女が擦っているクリトリスを指の脇から舐めたり、溢れる愛液を舌ですくい上げ、そのまま指を舐めたりもした。
彼女の指は、彼女自身の愛液と俺の唾液で、びちょびちょになった。
彼女はイキはしなかったが、いつもと違う興奮を与えたことは確かだった。
その後、俺が彼女の中で果てたあと、ベッドの上で余韻を楽しみながらおしゃべりをした。
彼女は言う。
「手の指と指の間を人から舐められるのって、なんかすごい感じるの……」
俺は彼女の手を取ると、彼女の人差し指と中指の間を舐めた。
「こう?」
「ははっ、くすぐったい……」
今度は彼女が俺の手を取ると、同じことした。
「ああ、ほんとだ、何か変な感じだ……」
「でしょ?」
俺は“なぞなぞ”を思い付いた。
「知ってる? “足”の指と指の間にも性感帯があるんだよ。そこは、誰でもすごい感じるんだ。どことどこの指の間か分かる?」
「足の指の間?」
「そう? そこを刺激されると誰でも感じでしまうんだ」
「うそ、私は足の指は感じないわ……」
「本当かな? やってみようか?」
「あんっ、足の指はいいわ、汚いもの……」
「汚くないよ。さっきしてあげたよ」
「え? さっきした?」
「うん、それはね……」
俺はそう言うと、彼女の足の“親指と親指の間”に手を差し込んだ。
「あんっ!」
彼女が声を上げた。
その指と指の間はまだ濡れていた。
完
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