香奈ちゃん、おめでとう。
ここから見る、香奈ちゃんのウェディングドレス姿、とっても素敵よ。
前からドレスは純白でなくちゃだめって言ってたもんね。
やっと念願が叶ったね。
とっても綺麗。
香奈ちゃん、本当に幸せそうな顔してる。
大好きな康平君と、これからはずっと一緒にいられるんだものね。
私もうれしい。
康平君も今日は一段とかっこいいね。
香奈ちゃん、康平君にぞっこんだったもの。
香奈ちゃん、いつも康平君の自慢話ばっかりなんだから、少し妬けたわ。
背が高くて、顔も整っていて、多分街を歩いていたら、ほとんどの女の子が振り向くわ……おまけに優しいし。
香奈ちゃんにはもったいなくらい。
それに、たくましいし……。
たくましい……そう、康平君は、たくましい……。
あの大きな体で包まれながら、彼のあの大きなのが体の中で動いたら……。
そうして、あの瞳で見つめられて「好きだよ……」って言われたら、もうどうなってもいいと思っちゃうよね。
もう、康平君なしでは生きていけないと思うよね。
だから離れなれなくなったんだよね。
そうだよね、香奈ちゃん?
でも香奈ちゃん……。
ごめんなさい……。
香奈ちゃんは今日、康平君と結婚するけど、本当は……康平君が、本当に愛している女は……私なの。
本当よ。
康平君は私を愛してる。
香奈ちゃんよりも……。
康平君がそう私に告白したの。
忘れもしないあの日、康平君うちに一人で来た。
金曜の日中だった。
うちには誰もいなかった。
そして彼、突然、うちに上がると、こう言ったの。
「我慢しようとしたけど、やっぱりだめだった……好きになってしまったんです。美帆さん!」
そして突然、抱きついてきた。
私、抵抗したわ。
本当よ。
抵抗しながら言った。
「いや、やめて……なんで? どうして? 康平君には香奈ちゃんがいるじゃない?」
「一目見たときから、好きになってしまったんです! 美帆さん! もう、どうしようもないんです!」
そして……そして、唇を奪われた……。
ぎゅうっと抱きしめられた。
そのあと、あの瞳で見つめられて、言われたの。
「好きです、美帆さん、美帆さん……香奈ちゃんなんかよりも……」
本当よ。
でも、信じて。
いけない、こんなこといけない、香奈ちゃんに悪い……。
何度もそう心の中で思ったわ。
でも、体から力が抜けちゃったの。
康平君、私の唇を奪いながら、私の服を脱がせた。
「ああ! いけない! だめ!」
私は何度も叫んだ。
逃げようとしたけど、逃げられなかった。
康平君の力強さに、体が言うことを効かなかった。
彼はいつの間にか私を裸にして、リビングのソファーに押し倒したの。
そして自分も裸になった。
私は顔を手で覆った。
そのとき康平君、言ったの。
「見て、美帆さん……美帆さんが欲しくて、僕のはこんなに……」
って。
私、指の間から見たの。
彼のものはたくましく、力強く上を向いてた。
ああ、あんな大きなの、初めて見た。
彼は近づいて来た。
「ああ! だめ! 康平君! いけないわ!」
怖かった。
私は顔をそむけ、康平君を遠ざけようと手を伸ばした。
そのときだった。
彼のものに触れてしまったの。
手が止まった。
すごい……すごい熱かったの。
そしたら彼、私の手を掴んで、そっとそれを握らせたの。
「ほら、美帆さんが、僕のをこんなにしたんだよ……」
すごい熱くて、太くて、硬かった。
でも、そう、もちろん、もちろん私、初めてじゃないわ。
男の人のものに触ったことはあるわ。
でも、あんな大きいのって初めて……。
だから私……私、そのときどうすればいいか、わからなかった。
でも、私が、彼のをこんなしたなんて……。
そんな……そんな……。
私、その手を離せなかった。
康平君、言ったわ。
「美帆さん、お願いだ、一度だけ……一度だけ、僕を受け入れて……そして、今日のことは二人だけの秘密にしよう。そしたら誰も傷つかない。ね、美帆さん……」
私、うなづけなかった。
でも、首を横に振ることも出来なかった。
私、私……。
彼は私を見つめながら覆い被さってきた。
「好きなんだ美帆さん、乱暴にはしないから……ね……」
私は目を閉じた。
唇を重ねてきた。
舌が入ってきた。
一度だけなら……一度だけで気が済むなら……それで誰も傷つかないなら……。
そう思って、私は康平君を受け入れてしまった……。
ごめんなさい、香奈ちゃん。
しょうがなかったの。
康平君の一途さに負けてしまったの。
それからは、彼は優しく、そして、たくましかった。
彼の愛撫に、私から止めどなく溢れて来た。
彼、そこに何度も口づけながらこう言ったわ。
「これが真帆さんの……美帆さん素敵だ……香奈ちゃんよりずっと素敵だ……」
香奈ちゃんも、あんなことされたんだね?
恥ずかしくなかった?
私、恥ずかしくて、どうしたらいいか、わからなかった。
そしてついに……。
「いいね、美帆さん……」
そう言うと、彼が私の中に挿ってきた。
ああ、すごかった。
本当にすごかった。
あんなの、あんなのって……初めて。
香奈ちゃん、大丈夫だった?
康平君と最初の時、大丈夫だった?
あんなに大きなの、私より小さな香奈ちゃんに入った?
私の中にやっと入ったのよ。
私の体の中、康平君のでいっぱい、いっぱいになった。
息もできないくらい。
そして、康平君が動き出すと……もう訳がわからなくなった。
康平君のが私の奥に突き当たるたびに、そのたびに目の前が真っ白になった。
あんなことって、初めて。
私、康平君に必死にしがみついた。
康平君、耳元で言ったわ。
「美帆さん、いい……すごい、いいよ……香奈ちゃんよりも、ずっといい……」
ああ、そのとき私……女ってすごいなって思った。
女って、どんな小さな体をしてても、どんなにたくましい男でも受け入れてしまう体を持っているんだって。
私、忘れていたけど、女だったの、香奈ちゃん。
康平君、切なそうな声で言ったわ。
「ああ、だめだ、すごいよ、美帆さん、ああ、もうだめだ!」
そして、私の中に突然出しちゃったの。
わかったわ。
そのとき、私の中で康平君のがすごく硬くなって、どくんって一度跳ね上がったと思うと、そのあと続けて何度も動いたの。
ああ、何度も何度も、康平君の太い先から、出てるのがわかった。
私の中が、またさらに熱いもので満たされた。
「ごめん、美帆さんの中、気持ちよすぎて、我慢できなかった……香奈ちゃんとはぜんぜん違うよ……」
康平君、申し訳なさそうに言った。
「いいの、気にしないで、私は大丈夫。康平君、でも、もう気が済んだでしょ。早く着替えて帰って。これでもう今日のことは忘れましょ」
私は、ぼーっとしながらもそう言って、服を着ようとした。
そのとき、康平君がまた抱きついてきたの。
「やっぱりだめだ! 一回だけなんて嫌だ! 美帆さん体、素敵すぎる! 前よりもっと好きなってしまった!」
「だめよ! 康平君! もうやめましょ!」
「嫌だ! 美帆さん! お願いだ! でないと、僕、みんなに言うよ。僕は美帆さんを好きになってしまった、だからもう香奈ちゃんとは付き合えないって!」
「だめよ! それだけはやめて! 香奈ちゃんが悲しむわ! それに私は……私は……」
「じゃあ、これからも二人だけの秘密にしよ。本当は美帆さんと付き合いたいけど、それができないのなら、こんな形は嫌だけど、僕は我慢するよ。もうそれしか方法はないよ」
「でも……」
「ね、そうしよ。でないとみんな傷ついちゃうよ。それでもいいの?」
「康平君……本当に誰にも言わないと約束してくれる……?」
「うん、約束する……」
その日、康平君は二度私の中に放った。
「香奈ちゃんとなんか、一日に二回したことなんてない」
そうも言った。
その日からだった。
私と康平君は、隠れて体を重ねるようになった。
そのたびに彼は言った。
「もう美帆さんとは、離れられない」
「もっと前に、美帆さんと出会いたかった」
「やっぱり、二人でどこかに逃げよう」
康平君はどんどん私にのめりこんでいった。
でも、私はそう言われるたびに、胸が痛んだ。
康平君が、どんどん香奈ちゃんから離れて行くんじゃないかって。
でも、私は康平君を拒むことは出来なかった。
なんとか康平君には黙ってもらいたかったから。
でも、信じて。
香奈ちゃんから康平君を奪うことなんて、一度も考えたことなかった。
いつか康平君が、香奈ちゃんのところに戻っていってくれればいいと思ってた。
そう、そして一ヶ月前のことよ。
康平君が当然私にこう言ったの。
「僕、香奈ちゃんと結婚するよ」
うれしかった。
やっとわかってもらえたんだって。
そして、私の手を握って言った。
「僕、もう、美帆さんがいない生活なんて考えられない。だから香奈ちゃんと結婚して、この家で美帆さんと一緒に暮らすよ。いいでしょ?」
次の日だったわ。
康平君がスーツ姿でうちに現れたの。
そして、私とパパの前でこう言った。
「お父さん、お母さん、僕と香奈さんと結婚させてください! そして僕、この家で一緒に暮らすことに決めました!」
康平君、男らしかった。
良かった。
本当に良かった。
康平君が、うちにお婿さんに来てくれることになって。
香奈ちゃん一人っ子だから、パパも喜んでた。
あのとき、香奈ちゃんも涙流して喜んでたね。
ああ、これで何もかもうまく収まったんだわ。
これで康平君も香奈ちゃんと離れないでくれる。
誰も傷つけずに済む……。
そして、これからも……。
あ、両親への花束贈呈なのね。
今、そっちに行くね。
康平君……。
完
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