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昼間だというのに、リビングのカーテンは閉め切られている。
徹は、テレビの前の一人掛けのソファーで身動きできないでいた。
口はタオルで猿ぐつわをかまされ、手足はガムテープでぐるぐる巻きに縛られている。
今、目にしているのは、妻、由美子と男の重なり合う姿だった。
二人とも下半身だけ裸だ。
男が、四つん這いになった由美子の腰を抱え、後ろからグッと下半身を押し出す。
「いやあああっ!」
由美子が仰け反り、声を上げる。
そのひと突きで、男のものが由美子の中にすべて入ったのがわかった。
「くうぅっ……意外といい締まりしてやがるぜ……」
薄ら笑いを浮かべ、由美子との結合部分をのぞき込む。
男は四十代前半に見える。
由美子の白い尻を見下ろしながら、腰を前後に動かし始めた。
由美子の尻越しに、男のへそまで続く縮れ毛が見え隠れする。
男の目には、由美子から出たりは入ったりする自分の怒張したものが映っているはずだ。
ゆっくりと抜いては、グイッと早く押し込む動作を繰り返している。
「はあっ!……はうっ!……ああっ!」
突き込まれるたびに、由美子から声が漏れた。
男はピストンを繰り返しながら、由美子の服を捲り上げ、背中のブラジャーのホックに手を掛けた。
一度で外れた。
慣れた手つきに見えた。
ブラジャーが肩ひもだけに吊られ、胸の前にぶら下がる。
支えを無くした乳房が、乳首を頂点に下に伸びた。
三十を過ぎて、幾分ふっくらとしたかに見える体の曲線は、それでもまだ男の欲望を刺激するには充分過ぎるほどだった。
大きめの指輪を何個もはめた節ばった手が、その柔らかそうに垂れた肉の膨らみを、下から持ち上げるように覆い、鷲掴みした。
乳首を指の股に挟み、何度も揉む。
肉に指が食い込み、乳首が指の間から飛び出る。
由美子がイヤイヤをするように顔を左右に振った。
黒い長い髪がそれにつられ、ばらけ、顔にまとわりつく。
男がその乱れた髪を片手でまとめ、向こう側に流した。
「ほら、見せてやりなよ、旦那にも、これも返済のうちに入るんだぜ」
「いやああっ! あなた! 見ないでっ!」
由美子がうつむく。
男がすかさず、由美子の頭のてっぺんの髪を掴み、引っ張ると正面を向かせた。
「いやっ!」
「でないと、まただんだん利子が増えていくぜ……」
目が合った。
由美子はすぐに目を反らした。
徹も顔を伏せた。
「おら、あんたも、ちゃんと見てなよ。あんたの奥さんが、あんたの作った借金を返すために働く姿をよ」
すまん、由美子……すまん……。
徹は、顔を上げ、一メートルしか離れていない目の前で、男に蹂躙される由美子を為すすべもなく見つめ、心の中で詫びた。
男が由美子の腰を引きずり上げ、ひときわ強く突き上げる。
「あああっ!」
由美子の背中が更に深い曲線を描き、反った。
「へへっ、もっとも、奥さん、結構楽しんでいるかもな……ほらもう、こんなグチョグチョになってきやがった」
「いやっ! そんなこと!」
「ほらっ! ほらっ!」
腰の打ち込みが続く。
やめろ! やめてくれ!
猿ぐつわの奥から叫んだ。
でもそれは、くぐもったうなり声にしかならなかった。
男の動きに合わせ、由美子の胸がユサユサと揺れる。
「しかし、あんたの奥さん、いい体してんなあ、あんたの女にしておくのはもったいねえ……ちゃんと使ってやってんのか? ここをよ!」
これ見よがしに腰をぐるぐるとグラインドさせる。
「ああっっ! いやああっ!」
「あ? 最後にしたのいつだ? 言ってみい? あ?」
「いやっ! そんなこと!」
「言わないと……このまま中に出すぜ……おらっ!」
「ああっ……やめてっ! きょ、去年です! もう一年もしてません! だから……ああっ……もう許してください! お願いです!」
突かれながら答える。
徹は猿ぐつわを噛みしめた。
「けっ、ほんとうに甲斐性のねえ旦那だな、パチンコで借金はこしらえるは、女盛りの女房はほっとくは……こんな男といてもどうしようもねえぜ、どうだ? いっそのこと、俺の女にならねえか? こうな風に毎日してやるぜ」
白い背中に覆い被さり、手を伸ばすと、無理矢理顔を横に向けさせた。
男の顔が近づく。
「おら! 舌出せ!」
大きな舌が小さな唇をなめ回す。
由美子は口を開かない。
「おらっ!」
口がゆっくりと開く。
「おらっ!」
舌の先が現れた。
男の舌がそれをとらえた。
舌先がなぞり合う。
由美子の舌が更に伸びてくる。
男の口がその舌を吸う。
舌が口の中に入り込んだ。
由美子が口を大きく開けた。
二つの舌がウネウネと絡まり合っている。
大きく開けた唇同士が密着し、舌が見えなくなった。
男の喉が動く。
由美子の喉も動く。
徹はごくりと唾を呑み込んだ。
男が由美子の口の中を犯しながら、また腰を動かし始めた。
片手は床につき体を支え、もう片方の手でまた乳房を揉みしく。
ぴちゃぴちゃと音が聞こえる。
口からだけではない、男と由美子の結合部からも、その音が聞こえてくる。
ああ、由美子! すまない、許してくれ!
もうパチンコはやらない。
死にものぐるいで働く。
働いて、こいつらにきっちり金を返す。
本当だ。
そうしたら、こいつらも、もうこんなことはしないだろう。
辛抱してくれ!
すまん! 由美子! 今だけだ、辛抱してくれ!
徹は拳を握りしめ、目の前の光景に耐えた。
「くうっ! こいつ感じてやがるぜ……ぎゅうぎゅう締め付けてきやがる……」
きっと借金は返す!
俺が馬鹿だった!
もう、お前をほっといたりはしない。
もう、お前を悲しませたりしない。
約束する!
「おおっ……なかなかだぜ……この女……」
男が由美子から口を離し、独り言のようにつぶやいた。
顔をしかめ、一度動きを止めた。
上半身を起こすと、自分の膝の間隔を広げ、由美子にもそれを促した。
由美子の脚が両側に広がり、尻の位置が低くなった。
腰が引っ張り上げられた。
尻が男の前に突き出る。
両手で尻をむんずと掴みと、突き上げを再開した。
今度は早いテンポだ。
「いやっ! だめっ! あっ!」
垂れた乳房が体の動きに遅れて揺れる。
パンッ、パンッと体のぶつかり合う音と、粘着質な音が部屋をを満たす。
「奥さんいいぜえ……いい具合だ……奥さんに免じて、この代わりに利子は帳消しにしてやってもいいぜ……」
「ほ、本当……ですか……お願い、お願いします……」
「ああ……でもな……最後に奥さんの中に出させてくれたら、だ」
「だめ!……だめです!……それだけは許して!……」
男の目がこちらを向いた。
「どうする? あんた……。あんたが、やめてくれと言うなら、このままやめてもいいが、その時は利子の返済はあと一週間待ってやるだけだ。だがもし、うん、と言えば、本当に利子の百万は帳消しにしてやる……もっとも、五百万の元本はきっちり返してもらうがな……。あ? どうする? いいなら首を縦に振れ、やめて欲しいなら横に振れ!」
そう言い終わると、口の端が吊り上がった。
「あっ! いやっ! あなた……お願い……あなたっ!」
後ろから突き上げられながら、由美子も徹を見つめる。
男の目もまた、こちらを見据えたままだ。
俺は……もうお前を悲しませたりしない……そう誓った。
金は必ず返す。
だから……。
だから……。
辛抱してくれ!
すまん! 由美子! 今だけ、辛抱してくれ!
徹は、ゆっくりとうなだれるように、首を縦に振った。
「そんな!……ああ……あなた……そんな!」
「け! つくづく甲斐性のねえ旦那だな? ああ? 奥さんよ……金のために自分の女に中出しさせるとはよ……じゃ、旦那の許しが出たところで、遠慮なくヤらせてもらうぜ……」
男のスピードが早くなった。
「いやっ! ああっ! いやっ! あなた!」
由美子が首を何度も横に振る。
男から逃れるようにその白い体をうねらせるが、男の手は腰を強く掴んだまま、動かない。
「おお……締め付けてきやがるぜ……ほんとは欲しいんだろ? あ? 奥さん」
「違います! ああっ……お願い……あぅっ……もう止めて……あっ……」
結合部がぐちょぐちょと音を立てる。
「いいぞ、ほら、もっと締めつけてくれ」
男の手が前に伸び、乳首を指先で摘まんだ。
残った指で肉を揉みしだく。
男の舌が由美子の背中をなぞる。
「あっ! いやっ! だめっ! あっ!」
「おうっ……いいね……奥さんの体は正直だね……ぎゅうぎゅう締めてくるぜ……うっ……そろそろだ、イクぜ、奥さん……」
男は体を起こすとスパートをかけた。
「やめて! あんっ! お願いです! ああっ! だめっ!」
パンッ、パンッ、パンッと肉と肉がぶつかり合う高い音が響く。
由美子が拳を握り、首を激しく横に振る。
髪が振り乱れる。
「うっ……出る!」
「ああっ! だめっ! だめっ! だめえー!!」
男は最後に深く突き刺すと、目を閉じ上を向き、静止した。
「ううっ……」
由美子も目をつむり、眉を寄せ、上を向いた。
「ああっ……」
今、男の精が由美子の中に吐き出されているのだ。
由美子の上半身が床に崩れ落ちる。
尻だけがまだ高い位置にある。
その体がまだ小刻みにヒクヒクと揺れている。
男が結合部分を覗き込む。
まだ抜こうとしない。
まだ出しているのだろう。
徹にはそれは随分長く感じられた。
男は最後に何度か抜き差しを行うと「ふうっ……」と息を吐き、腰を引いた。
由美子の下半身が前に押しだされ、完全に突っ伏す。
それと同時に、今まで由美子の中に入っていた男のものが、跳ね上がった。
それは粘液にてかり、まだへそに付くほど硬度を保っていた。
男は立ち上がりそのまま下着を付け始めた。
「奥さん……よかったぜ……」
スラックスのベルトを締め、由美子を見下ろしながら言った。
着替え終わると徹を睨みつけた。
「約束通り、これまでの利子はチャラにしてやらあ、でもまた今から発生するがな、それはまた来週取りにくるから、用意して待ってろよ」
男は立ち去ろうと、背を向けたが、そのまま止まった。
そして振り向くと、由美子が倒れているところまで来た。
「おい、奥さん……あんた……名前なんてえんだ?」
「ゆ、由美子です……」
由美子が上半身を起こし、乱れた髪を直しながら答えた。
「服を着ろ……来い……」
男は由美子の服を拾い上げると、差し出した。
「え?」
目を見開き、男を見た。
「なあ、こんな男と一緒にいても、先が見えるぜ……俺と来いよ、由美子……悪いようにはしない……」
何秒か二人は視線を合わしてした。
由美子はゆっくりと立ち上がり、無言で服を着始めた。
着終わり男の前に立った。
「行くぜ……由美子……」
由美子が無言でうなずいた。
そして、こちらを見た。
徹はたまらず目を伏せた。
一番見たくない由美子の顔だった。
ゆっくりと近づいてきた。
「あなた、見て! 私を」
徹の顎に手が触れ、持ち上げられた。
由美子を見た。
先ほどまでの虚ろだった視線は、今は、徹を射抜くような強さを持っていた。
顎の手が離された。
徹の頭は重力に逆らわず、落ちた。
ドアが開いて閉まる音が聞こえた。
徹はまだ顔を上げられないでいた。


2016/02/29(月) 12:33 短編小説 PERMALINK COM(0)
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