スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。
「パパ、今から帰るね。友だちも一人連れて行っていいかな?」
12時を少し回った頃です。
娘の桜からの電話でした。
今日は一人娘、桜の成人式です。
東京で一人暮らしをして大学に通っている桜が、成人式に出席するため久しぶりに帰省していました。
市民センターでの成人式が終わったのでしょう。
「うん、いいよ。気をつけて帰っておいで、桜」
私はそう言うと受話器を置きました。
もうあれから20年も経つのです。
私も50歳を過ぎました。
娘が二十歳になった今、思い出される女性がいます。
私が結婚してから妻以外に抱いた女性が一人だけいました。
桜はそのひとにちなんで名付けたのです。
その女性の名前は、百合さんと言いました。
その当時、百合さんは40代前半だったと思います。
彼女は、本名を教えてくれましたが、自分の正確な歳は最後まで明かしてくれませんでした。
名字は菖蒲(あやめ)と言いました。
「結婚したら名字も花の名前になったの…………」
そうおどけて話していたのを思い出します。
あの時、私は30歳でした。
結婚したばかりでした。

続きを読む
2016/05/16(月) 16:40 小噺 PERMALINK COM(0)
『無精子症』

夫が妻に言った。
「大変だ、俺の親父が、無精子症だって、わかったんだ」
「え、そんな……じゃ……あなたは……」
「いや、まだ、遺伝するかどうか、わからない……」


2016/05/02(月) 12:35 小噺 PERMALINK COM(0)
『隠れられる場所』その1

「あ、大変! 主人が帰って来たわ、あなた、早く隠れて!」
男はクローゼットの中に隠れようとして、扉を開けた。
中に男がいた。
「ここは一人しか入れない、他をあたってくれ」




『隠れられる場所』その2

「あ、大変! あの人が来たわ、あなた、早く隠れて!」
男はクローゼットの中に隠れようとして、扉を開けた。
中に男がいた。
後ろから声がした。
「あ、そこは主人の趣味の部屋なの、違うところにして」

2016/04/19(火) 16:44 小噺 PERMALINK COM(0)
情事の後のベッドの上でだった。
女が男に言った。
「あなたは私を裏切らないでね、絶対浮気なんかしちゃ駄目よ、浮気する人、私許さないわ、人間のクズよ、うんん、あなたはそうゆう人じゃないって信じてる、あなたも私を信じていいのよ、私は一途なの、私、あなたしか愛してないのよ、ほんとよ、安心して、私、人を裏切ったりしないの、それに引きかえ私の旦那なんか……」

2016/04/18(月) 16:46 小噺 PERMALINK COM(0)
「ごめん、ミキ、うちの旦那に訊かれたら、私昨日の夜、あなたの部屋にいたことにして」
「だめよ、ユカリ、昨日の夜、あなたの旦那さん私の部屋にいたもの」

2016/04/16(土) 16:19 小噺 PERMALINK COM(0)
彼女と歩いていたときだった。
急用を思い出した。
明日の取引先との接待の人数変更を店に伝えなきゃいけなかったんだ。
俺は彼女に「ごめん、ちょっと急用の電話するね」と言って、その場で携帯から店に電話した。
「あ、ママ、ごめん、明日の話だけど、連れていくお客さん、3人から5人に増えたんだ、大丈夫かな? うん、そう、やっぱりママだね、ありがとう。ママのあの手料理もお願いね、あれ、俺、好きなんだ。うん、じゃ明日ね、ママ」
彼女は私を見つめ、首をゆっくり左右に振ると、何も言わず走り去った。

2016/04/15(金) 08:56 小噺 PERMALINK COM(0)
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。